はじめに
日本全国で観光資源を活用したPRが盛んに行われています。美しい映像、特産品の紹介、伝統文化の体験…。どれも素晴らしい取り組みです。
しかし、外国人観光客(インバウンド)に向けて情報発信をしたにも関わらず、
- 「誰にも見られていない」
- 「外国人の予約につながらない」
- 「結局、国内の人にしか届いていない」
という課題を抱える地域・観光事業者・自治体が非常に多く見受けられます。
本記事では、なぜ日本の観光PRは外国人に“伝わらない”のか? その理由を深堀りし、 どうすれば「届く」「伝わる」「行動される」観光PRに変えられるのかを、インバウンド集客の専門家であるstudio ILL BEの視点から解説します。
1. 日本の観光PRはなぜ伝わらないのか?
理由①:「誰に向けてるか」が曖昧
→ 全方位型で“誰にも響かない”PRになっている
例:「四季折々の自然」など抽象的な表現だけで、具体的なターゲットが見えない
理由②:「伝統」や「文化」の押し売り
→ 日本人にとって“当たり前”でも、外国人には意味が通じない
例:「日本庭園を眺めながら抹茶を」←それがなぜ特別なのか説明がない
理由③:メディア選定ミス(伝える場所がズレている)
→ 日本語Webサイトや紙パンフで発信しても外国人には届かない
例:WeChatを使ってる中国人、Instagramで検索する韓国人にリーチできてない
理由④:「予約できない」「問い合わせできない」
→ 見て“行きたい”と思っても、実際に行動できない構造
例:電話予約のみ、多言語対応なし、支払い方法が日本式など
2. “伝わる観光PR”に変えるための5つの視点
① 誰に届けたいか?(ターゲット設計)
- 国籍・年齢層・旅行目的(例:韓国の20代女子/アメリカの富裕層)
- その人が「旅先で何を求めているか」を深掘りする
→ PRは「自分ごと」に感じてもらって初めて響く
② なぜ魅力なのか?(価値の言語化)
- 「美しい」ではなく、「なぜそれが他にないのか?」
- 歴史的背景・地域性・ストーリーを言葉にする
例:「◯◯神社は1000年以上の歴史があり、春には地元の高校生が神輿を担ぐ」
③ どこで出会わせるか?(メディア戦略)
- Instagram/YouTube/TikTok/WeChat/小紅書などをターゲットごとに選定
- Google広告やSNS広告で「旅前」にリーチする施策も有効
④ どう見せるか?(写真・コピー・動画)
- 「人の感情が伝わるカット」を使う(風景だけより、人が体験している写真)
- 英語は翻訳でなく“共感の言葉”にする
- 動画は30秒以内+字幕付きが理想
⑤ どう行動させるか?(導線と予約設計)
- SNS → LP → 予約 or 問い合わせ までの流れを設計
- 多言語LPと予約フォームは必須
- 決済や事前質問も対応できるように
3. インバウンド集客におけるPR成功事例
事例①:岐阜県の古民家宿 × 海外インフルエンサー
- Instagramでの体験投稿が話題に
- フォロワーから予約希望が殺到→予約ページが英語対応でスムーズ
事例②:東京・下町エリアの文化体験プログラム
- 英語LPとインスタ広告を連動させたPR
- アメリカ・フランスの個人旅行客が増加
事例③:百貨店外商 × 富裕層向けVIPショッピング体験
- SNSではなく旅行代理店+多言語LPでの事前提案
- 「あなただけの体験」として価値提供 → 申込に直結
4. 伝える“言葉”を変えるだけで変わること
よくあるNGコピー:
- 「日本の伝統文化に触れてみませんか?」
- 「日本の美しい四季をお楽しみください」
伝わるコピーに変換すると:
- 「100年以上続く茶道を、実際に体験。職人と一緒に茶碗をつくってみよう」
- 「桜の時期だけ。地元ガイドと歩く“秘密の夜桜ツアー”」
→ “体験できること”と“唯一無二性”を前面に
5. 誰が“翻訳”するかより、“誰が伝えるか”が大事
- 英語にすることが目的じゃない
- 「どの文化圏の人に、どんな言い方なら響くか」を理解した人が企画・設計すること
→ 多言語対応は「言語スキル」ではなく「マーケティングと共感力」
studio ILL BEでは、アジア・欧米圏のターゲットに応じた言葉選びを支援しています。
6. 今すぐできる“伝わるPR”チェックリスト
- ターゲットが明確か?(国籍・属性)
- その人が“行きたい”と思う要素があるか?
- 使っている言葉は“伝わる言葉”か?
- SNSやメディア選びは適切か?
- 予約・問い合わせまでスムーズか?
- 体験に「物語」があるか?
- 写真・動画に“人の感情”が映っているか?
まとめ
“伝わらない観光PR”は、内容が悪いのではなく「伝え方がズレている」ことがほとんどです。
大切なのは、
- 誰に(ターゲット)
- どこで(チャネル)
- どんな言葉で(共感コピー)
- どんな導線で(予約まで) 届けるかを、戦略的に設計すること。
studio ILL BEでは、観光事業者・自治体・百貨店様向けに、
- 多言語PRの企画設計
- LP制作/SNS/広告/外商向け支援
- 富裕層インバウンドの導線設計
など、インバウンド専門の集客支援を提供しています。
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